日本政策金融公庫から借り入れを行うときの審査ポイント

日本政策金融公庫から借り入れを行うときの審査ポイント

政府が出資する日本政策金融公庫は、ほかの金融機関の融資が通らなかった方にも貸し付けを行ってくれる場合があります。日本政策金融公庫を利用するときのポイントや、注意点などを今回は取り上げます。審査に通るためのコツや必要書類についても、解説していきましょう。

 

◆小口融資で借り入れの実績を作ることが大切

 

日本政策金融公庫の融資でも、審査のポイントになるのは個人の信用です。実際、これまでに借り入れや返済の実績がある、といった顧客は、高額な融資の審査も比較的スムーズに通りやすくなります。したがって、日本政策金融公庫の融資を利用する場合、まずは小口の融資で借り入れの実績を作っておくことが大切になるでしょう。例えば、初めて融資を申し込む際には、300万円程度の金額を希望しておくのがコツです。融資の金額をあえて少なく設定すれば、用意する自己資金も最小限で済むうえに、審査に通る可能性もアップします。大口の融資を希望している場合でも、最初は小口の融資から利用を始めて、徐々に借り入れの金額を増やしていったほうが良いでしょう。実績のない顧客が大口の融資を希望しても、現実には審査に通らないケースも多々あります。顧客の信用度が把握できないときには、日本政策金融公庫でもリスクの高い大口の融資を見送る場合もあるわけです。小口の融資から段階を踏んで利用していくことで、公庫側からも一定の信頼を獲得できます。日本政策金融公庫からの信頼が厚くなれば、2回目以降の融資の審査もスムーズに進みます。最終的には、大口の融資を受けることも可能になるでしょう。

 

◆資金の使い道と事業規模や将来性を明確にする

 

資金の使い道や事業の規模、事業の将来性を明確にしておくことは、日本政策金融公庫から融資を受ける際には特に大切なポイントです。融資の審査の際には、日本政策金融公庫の窓口で事業計画書という書類を提出しますが、この書類には資金の使い道などを書く欄が設けられています。担当者が内容をチェックして、具体的な事業計画が立っているかどうかを判断するわけです。日本政策金融公庫の資金の使い道には、「運転資金」と「設備投資資金」があります。例えば、飲食店を開業する場合、材料の仕入れにかかる費用や広告宣伝費などが「運転資金」に該当します。計画書に記載されている他の内容や面談でヒアリングをした事業の内容に対して、運転資金の金額が適当かどうかが審査の1つのチェックポイントです。また、開業後に必要になる運転資金は、毎月発生するコストと収益のバランスと整合性がなければなりません。このような整合性の有無も、チェックポイントになるでしょう。「設備投資資金」に該当するのは、例えば、厨房機器や業務用の車の購入費用などです。申し込みの際には、購入する厨房機器や車両の見積書を提出して、事業を行うために必要である点をアピールすることが大切です。また、設備投資が後の売上につながっていくことを、データなどを用いて客観的に説明する必要もあるでしょう。必要な資金の内容と使い道については、最初に提出する計画書にきちんと盛り込んでおくことが重要なのです。

 

◆審査をスムーズに乗り切るためのコツ

 

日本政策金融公庫の審査をスムーズにクリアしたい場合には、いくつかコツがあります。例えば、十分に返済能力がある人物を保証人に設定する、などはコツの1つになるでしょう。日本政策金融公庫の融資を申し込むときには、保証人を立てることを要求されるケースが多いです。このような融資の審査では、本人はもちろんですが、保証人の返済能力もチェックされます。保証人自身がすでに日本政策金融公庫の融資を利用しているような場合は、返済能力があると判断されますので、信用は高くなるでしょう。したがって、日本政策金融公庫の融資を受けている身近な人の中から保証人の候補が選べれば、審査に通過して融資を受けられる可能性が高まるわけです。また、公庫の審査では、面談の内容も考慮されます。申し込みをした後には、経営者自身が審査の担当者と面談を行うのが日本政策金融公庫のスタイルになっています。このような場では、経営者が事業計画書を基に審査の担当者に対してプレゼンを行う必要があります。説得力のあるプレゼンを行うためには、事前に計画書の内容をきちんと煮詰めておくことが必要です。自社や自店の経理担当者や顧問の税理士と一緒に面談に出向けば、落ち着いて自分の事業について説明ができるでしょう。

 

◆借入を行うための手続きと必要書類

 

日本政策金融公庫の融資の申し込みは、公庫の窓口に直接出向いて行います。必要な書類がすべてそろっていれば、手続きもスムーズです。書類の準備に手間取ってしまうと、融資が行われるまでの期間が長くなってしまうので、できるだけ早めに準備に取り掛かりましょう。借入を行うにあたって必要になるのが、借入申込書などの書類です。借入申込書には、直近2期分の確定申告書や最新の試算表などを添付します。法人の場合は、会社の登記簿謄本なども必要です。また、本人確認書類を持参するのもルールですので、飲食店を開業する場合には約5点ほど書類を用意しておく必要があります。また、設備投資資金を希望する場合は、業者の見積書なども提出が求められます。ちなみに、借入申込書は日本政策金融公庫の公式サイトからダウンロードができるようになっています。したがって、わざわざ用紙をもらいに窓口に出向かなくても、プリントアウトをして内容を記入し、添付書類と一緒に持参することが可能です。融資を受けるのに必要な書類の種類や内容の書き方について不明な点があるときには、公式サイトでも紹介している「事業資金相談ダイヤル」に問い合わせて相談をするとよいでしょう。「事業資金相談ダイヤル」では、申し込みの前の相談にも広く応じています。わからないことがあるときには、そのままにせずにこのような窓口に何でも相談してみることが大切です。日本政策金融公庫は、公式サイトからの質問にも対応していますので、気軽に問い合わせをしてみましょう。

 

◆日本政策金融公庫を利用するメリットとデメリット

 

日本政策金融公庫の融資を検討しているときには、メリットとデメリットをそれぞれ押さえておくことも必要になるでしょう。日本政策金融公庫はほかの金融機関に比べて金利が低めであり、借入の際に発生する利息が少ないというメリットがあります。また、政府系金融機関である日本政策金融公庫は、基本的に小規模事業者や中小企業などを応援する組織であるため、審査の基準が比較的緩やかです。ほかの金融機関の審査で融資を断られた方でも、この組織の場合は審査に通る可能性があるのが魅力と言えるでしょう。最初に日本政策金融公庫の融資を受けておけば、借入の実績ができます。したがって、その後は他の金融機関からもスムーズに融資を受けられるケースが少なくありません。事前の相談や面談を通じて、経営や事業に関するアドバイスが受けられる点も魅力です。こういった数々のメリットがある反面、日本政策金融公庫の融資にはデメリットもあります。例えば、審査に3週間から1カ月程かかる点は、急いで資金を調達したい方にとってはデメリットになるでしょう。一般の銀行の融資は、審査から入金まで大体1週間前後ですが、日本政策金融公庫の場合は審査期間がやや長いのが難点です。また、ほとんどの融資が保証人を必要としていますので、信頼できる相手を見つけて保証人になってくれるよう頼まなければなりません。ただ、商工会議所の推薦を受けた方などは、保証人が必要ないケースもあります。生じるデメリットは、その方によっても多少違ってきます。

 

◆しっかりと準備を整えてから融資を申し込む

 

日本政策金融公庫からの融資は、低金利で利用ができるうえに経営や事業に関するアドバイスをもらえるといったプラスアルファのメリットもあります。その一方で、審査のために多少時間が必要になるため、利用をする際には早めに準備を整えるのが肝心と言えるでしょう。日本政策金融公庫の「事業資金相談ダイヤル」や、日頃から付き合いのある税理士事務所などに相談をしておくと、着々と準備が進められるかもしれません。東京都の越智税務会計事務所などでは、飲食店を開業する方のサポートを行っていますので、計画書の書き方や融資の手続きについて相談してみるのも1つの方法です。

 

【2段落】から【4段落】

https://www.jfc.go.jp/

【6段落】

池袋の税理士

Welcome to
お気軽にお問い合わせください。
無料相談ご予約 受付時間 9:00~17:00(平日)
メールでのお問い合せはこちら
トップへ