飲食店の利益を出すポイントと改善策

飲食店の利益を出すポイントと改善策

飲食店を長期間経営していくには利益を出し続ける事が不可欠です。継続的に利益を出し続けるためには利益率、回転率、原価率などの要素を意識して経営していく必要があります。利益を出し続ける以外にも資金調達するために融資を受ける必要も出てきます。今回はこのような店舗経営を考える上で大切な要素に加えて、利益を上げ続けるためのポイントと改善策について解説していきます。

 

飲食店の利益率の目安は10%程度

 

昨今の飲食業界は人手不足や最低賃金が上がったことにより、人件費は年々上昇しています。しかしながら利益は出し続けなければなりません。どの程度利益を出せば良いのか、その1つの目安となるのが「利益率」です。飲食店の利益率の目安は業態や店舗の規模によるものの、10%が1つの目安となります。これは営業利益と呼ばれるもので、総売上から食材の仕入れなどの変動費と家賃や人件費などの固定費を全て引いて出る数字です。
開業する際や経営していく上で借入をしている方にとって利益率はとても重要な要素です。借入金は営業利益から返済していくことになりますので営業利益率を確保出来なければ返済することもままなりません。また、これから金融機関からの融資を考えている方にも利益率は返済能力を客観的に示す要素となりますので、非常に重要です。
この営業利益率を求める計算式は「営業利益÷売上高×100%」です。実際に自分のお店のPLを見て計算してみて10%を下回っているのであれば、10%を目指すことでいざという時の備えになります。

 

利益を考える時のチェックポイント

 

利益を今よりも増やすためには固定費か変動費率を下げることが重要になります。変動費は食材の仕入れなどその時の売上に左右される費用のことで、固定費は家賃や正社員人件費など売上が無くても発生する費用のことです。
固定費を下げるためには人件費を抑える事が効果的です。人件費にはスタッフの給料の他にも社会保険などの法定福利費も含まれます。基本的には高単価な業態程、必要な人員が必要になるため人件費が高くなる傾向にあります。
人件費をどの程度まで抑えるか考える際に重要な指標として「FLコスト」というものがあります。FLコストはFood Labor コストの略称で、Food は原材料費、Labor は人件費という意味です。原材料費と人件費が分かれば「FL比率」というものを出していきます。FL比率は「売上高÷FLコスト」で出す事ができ、55〜60%に収まる事が好ましいです。
FLコストは飲食経営の大部分を占めているので、流行り廃りがある飲食業で長期間経営を続けていくためには欠かせない要素です。もし60%を超えているのであれば、利益が出ていたとしても60%に収まるように試行錯誤を続けることが大切です。

 

赤字が出ている場合の改善方法

 

赤字が出る状態に陥っているということは入金よりも支払いの方が多い状態であり、早急に対策が必要です。不動産会社や取引先に支払いの延期を打診することも1つのです。資金調達が可能な場合は資金繰りを改善するために行動します。
しかし、上でも述べたように資金調達にも利益率が重要になる場合があります。利益率を改善する対策としてまず経費の大部分であるFLコストに無駄がないか考えましょう。業務の効率化を図り作業時間を削減したり、お客様が少ない時間帯に人員を無駄に配置していないかを確認して曜日ごとのシフトの見直しを行います。また、客数が多いにも関わらず利益が出ていない場合は利益率が低い状態にあります。利益率を上げるためには原価率を下げる必要があるため、メニューの見直しを行いましょう。
反対に客数が少ない場合は回転率が低い状態です。回転率が低いということはお客様が入ってきていない状態を示しているので集客に力を入れます。お客様来ない原因としてお店の敷居が高く、入りづらい場合があります。その「入りづらさ」が回転率の足かせになっているときは、店舗の親しみやすさをアピールするために看板を大きくしたり、店舗の前にメニューを置く、またはSNSなどのツールを使ってお店の雰囲気や価格などを配信するなど行動をおこして集客に力を入れることが大切です。

 

売上が伸び悩んでいる時の改善点

 

集客がうまくいき、それなりにお客様が定着しているにも関わらず、利益があまり出ていない時には改善点を見つけていく必要があります。まず考えられる原因としては席数の不足です。席数が不足していてはいくらお客様に来て頂いても売上を増やすことは難しいです。席数が不足している場合にはテーブルのサイズを見直すことで2人席が1つでも増えないか工夫してみましょう。2人席が1つ増えるだけでも仮に客単価が1500円だとすると1日で3000円の売上アップにつながり、1ヶ月で25日営業した場合7万5000円の売上アップにつながります。
限界まで席数を増やしてまだ売上が足りない。そんな時は客数向上図る以外の売上を伸ばす方法を展開出来ないか考えます。例えば、ランチタイムが混んでいるお店の場合は「テイクアウト」が出来ないか検討してみる。店内が満席になり回転率が落ちる場合でもテイクアウトであれば席を増やすなどの無理をすることなく売上を上乗せすることが可能です。また、店内の方にもテイクアウトを買って頂けることもありますので客単価もアップします。他にもお客様が少ない時間帯限定でハッピーアワーなどのお得なサービスを展開することで客数の底上げが期待できます。

 

2店目の出店を考えるタイミング

 

1店目の利益が順調であれば単純に考えて売上と利益が倍増する2店目の出店を考えることも経営上有効な手段です。しかし、2店目が必ずしも1店目と同じような利益を上げるとは限りません。その要因として2つの要因が考えられます。1つは、1店目はオーナーのチェックが厳しく入りますが、2店目はオーナーの目が1店目に比べて行き届かなくなるため、利益率が低いといった状態が生じてしまいます。対応策として2店目を出店する前に作業手順や店舗運営の段取りをしっかりとマニュアル化しておくことが大切です。
もう1つは、出店する前に周辺の住民の属性(専業主婦が多いなど)のリサーチ不足です。リサーチを行うと例えば、専業主婦の方が多くランチタイムが売れる傾向にある反面、共働らきの世帯が少なくディナータイムは家で食事をする方が多く売れないなどその土地の傾向が予想でき、自分の業態がその土地に合っているのかなどが予測できます。しかし、リサーチが不足してしまうとディナータイム型の業態を、ランチタイムがメインの土地出店してしまう可能性が高くなります。対応策としては事前に周辺の飲食店に行き店員さんに昼と夜はどちらが売れるか聞きに行ったり、土地を契約する際に不動産会社の方にどのような方が多いか聞くと教えてくれることがあります。
複数の店舗を出店することはリスクばかりではなくメリットがあります。例えば複数店舗で食材などの仕入れを一括で行えば、仕入れ価格に対し交渉する余地が生まれてくるため、原価を下げることが出来るチャンスが生まれます。他にも人員不足の時に助け合えたり、雇う人数が増えるため効率的な方法を考えてくれる可能性が高まるなどのメリットもあります。

 

数字に強い経営者になることで経営を安定化させる

 

飲食店店で継続的に利益を上げていくためには、商品やサービスだけでなく数字に対して意識を向ける必要があります。個人では解決できないような問題が起こった時は、税理士などの専門家に相談することも必要になります。経営に行き詰まった時は1人で抱え込まずに相談することが大切です。しかし、専門家は毎日店舗運営に関わってくれる訳ではありません。事業を継続するためには、経営者が売上やコスト管理などの点に日々目を向けチェックしていくことで、数字に強い経営者になることが大切です。

 

 

 

 

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