飲食店の経営は比較的着手しやすいイメージがある反面、失敗してしまうリスクも高いです。このため経営で失敗したくないと考えている人も多いのですが、今回はそんな飲食店経営で気を付けておきたい注意点を3つ解説していきます。

◆注意点1！テナント選びに気を付ける

飲食店を経営していく上でまず考えなければいけないのが、店となるテナント選びです。テナントとなる物件のエリアや立地、通いやすさは集客に影響してきますし、借りる際にかかってくるコストも考えなければいけないので重要なポイントの一つとなっています。特に条件がいいところはなかなか空きが出ないため、常にテナント物件の情報をチェックしておくのが大切だと考えられています。

そんなテナント選びには注意するべき点がいくつかあるのですが、特に注意しなければいけないのが「入れ替わりの激しいテナント」です。立地やコストがいいのに入れ替わりが激しい物件というのはどのようなエリアにも少なからず存在しており、一見条件がいいので空きが出たからとすぐに飛びついてしまう人も少なくありません。

ただそこで考えなければいけないのが、なぜ入れ替わりが激しいのかというところです。お店の種類や経営者によっては単純に経営困難になってしまったという場合もありますが、それ以外で想定しなければいけないのが「割高物件である可能性」だと言われています。

飲食店だけではなくテナントを借りて経営するタイプのお店で考えなければいけないのが、「初期投資を何年で回収できるのか」という点と「家賃は固定費用である」という点です。このため売り上げが伸びたとしても伸びなかったとしても家賃は固定で出費され続けるので、家賃を含めて投資費用をある程度の年数で回収できなければ経営を続けることは難しくなります。そして入れ替わりが激しいテナント物件の多くが、家賃の高さがネックとなって経営が続けられなくなった可能性が高いと考えられているのです。

このため入れ替わりが激しいテナント物件は、前のお店が飲食店であった場合は集客が見込めない可能性も高いので避けた方がいいと言われています。入れ替わりが激しいかどうかわからない場合は、土地などの条件がいいのに対して家賃が相場以上に高いというところを避けるのがおすすめです。

◆注意点2！出店前にキャッシュが少ないのは危険

飲食店の経営を考えている人の中には、開業資金にお金をつぎ込みすぎてしまったために運営資金となるキャッシュが少なかったりほとんどない状態で出店してしまう人がいます。このようにギリギリ出店をしてしまう人は飲食店経営者には珍しくないと言いますが、この方法は非常にリスクが高く危険だと言われているのです。

その理由として指摘されているのが、「運営資金は経営を続けるためのお金である」という点です。基本的に店を持つ時には開業するための設備などを整える開業資金と、店の維持費用や仕入れ・給与の支払いなどのために必要な運営資金の2種類が必要となります。開業資金は開業してしまえばなくなっても問題はないのですが、運営資金はそこから継続してお店を経営していくためにずっと支払い続けなければいけないキャッシュです。

ある程度売上が安定してくればそちらから差し引いていくことも可能ですが、出店してから最低でも1年は売上からではなく自分たちで負担していかなければいけません。このため売上が思いのほか上がらなくても1年間は自分たちが負担しておけば何とかしのげるという飲食店もありますし、売上は安定していても現金としてのキャッシュが手元にほとんどなかったために1年間の運営ができず閉店してしまったという飲食店もあります。

ちなみに経営ができないからと撤退しようとしても、契約期間は1年間などの縛りによって撤退ができない場合もあります。そうなると1年間は解約ができませんし、無理に解約しようとすると違約金の支払いや原状回復代などのコストがかかってきます。その結果、撤退が遅れて高い家賃がのしかかってくるなどのリスクを背負ってしまう危険性も考えられるのです。

このようなケースから飲食店の経営はリスクヘッジが重要だと考えられており、売上がゼロの状態でも最低1年間は経営できる資金をキャッシュで持っておくことが大切だと言われています。

◆注意点3！プロダクトアウトの罠にはまってはいけない

プロダクトアウトとは、サービスを提供する側の発想でビジネスを行うことを言います。

簡単に言ってしまえば、お店を経営する側が「こういうお店にしたい」、「こういうビジネスをしていきたい」という思考で経営をする方法です。プロダクトアウトは一見すると経営者の理想を形にしていくよい考え方だと思われがちですが、思わぬ罠が潜んでいるために経営が失敗しやすいと指摘されています。

実はプロダクトアウトは「自己満足ビジネスモデル」とも揶揄されており、経営者が理想とするビジネスを追い求めるがために現実が伴っていないものが多いと言われています。特に飲食店でのキャリアや経験を持っていない人たちがプロダクトアウトをしようとすると、こだわりが強すぎて予定している予算や資金では経営できないビジネスモデルを展開してしまうケースが少なくありません。ただそこで現実を見てしまった場合でも、原価や仕入れ額などの現実面ばかりを考えてしまって肝心のこだわりや発想が置いてけぼりにされてしまうケースもあります。

このようにプロダクトアウトの思考は飲食店経験がない人が持ってしまうと、経営に失敗してしまう可能性が高くなると考えられています。もちろんビジネスモデルそのものを持つことは経営をする上では重要なのですが、大切なのは顧客視点に立ったビジネスモデルであるかどうかです。そのため同じ思考であっても、市場や消費者のニーズからビジネスやサービスを考えるマーケットインの思考に持っていくことが大切だと言われています。

◆飲食店経営を成功させよう！

飲食店の経営は数多くあるビジネスの中でも、お金があれば未経験者でも飛び込みやすい敷居の低さが魅力のビジネスです。だからこそ安易な経営をしてしまうと、思わぬ失敗をしてしまうリスクが高いビジネスだと指摘されています。

このためこれから飲食店の経営を検討しているという人は、まず経営に失敗しないためのノウハウや知識を身に着けておく必要があります。特に出店前のテナント選びやリスクヘッジ、さらにビジネスモデルをしっかり確立させておくことは経営失敗を防ぐだけではなく長く経営するためにも必要不可欠なポイントです。また経営に関することばかりではなく、飲食店や飲食業界に関連する知識やノウハウを身に着けておくことも大切だと言われています。

ただこれまでに飲食店に関わったことがない人や経営をしたことがない人の場合、注意点を理解していてもどのようにすればいいのかわからなという人も少なくありません。そのような場合には飲食店経営に関するセミナーや講習会を利用するという手もあるのですが、もっと自分たちの事例に合ったアドバイスや指導を受けたいと考えている人も多いです。

このように飲食店の経営を成功させたいけれどもどうすればいいのかわからないという人には、飲食店経営を成功させるためにも飲食店経営についてアドバイスがもらえる税務会計事務所（http://ochi-kaikei.com/）の利用がおすすめです。税理事務所であれば経営に関することだけではなく資金に関することなど細かな部分までアドバイスをもらえるので、初めて経営をする人はもちろん飲食店経営の経験者にとってもおすすめとなっています。

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