居酒屋の売上を考えるときに必要な計算式
居酒屋を経営してみたいけれど、どうしたら成功できるのか分からないと悩んでいる方も多くいるでしょう。居酒屋の経営を成功させるためには、日々の売上について意識を深めていく必要あります。ここでは、売上の計算方法や席数に対する捉え方を解説していきます。
◆居酒屋の売上を計算する方法
居酒屋の売上は、「売上＝客数×客単価」で求めることができます。1日に何人のお客さんが来店してくれたのか、そのお客さん1人1人がいくら飲食してくれたのかという人数と代金を掛けることで1日分の売上を計算することが可能になるのです。そのため、日々の売上を伸ばすためには、客数を増やすか、客単価を高めるか、もしくはその両方を伸ばすことを考えなければいけません。さらに、利益を伸ばすためには、料理を作る時の費用を無駄が出ないように工夫したり、お店の維持費などを検討するコスト管理も重要な要素になるということができるでしょう。これらのほかにも、売上を左右する要素としては、料理の提供時間も影響を与えると考えることができます。料理が注文されてから提供するまでの時間が長くかかってしまうと、結果的にお客さんが長い間お店にいることになります。素早い料理提供をおこなうことができれば、その分だけ滞在時間を減らすことができるかもしれません。効率の良いオペレーションができるかどうかが重要です。なお、チェーン店であれば、常に同じ品質のサービスを短時間で提供することも求められます。マニュアルを作り、スタッフに徹底させることで売上を上げることにもつながっていくといえます。
◆客席稼働率は回転数に影響する
客数は細かく見ていくと、「客数＝席数×回転数」と捉えることができます。そのため、席数が30席ある居酒屋に、1日の来店客が90名の場合では3回転したということになるでしょう。この回転数は客席稼働率に大きく影響を与えるものとなっていますが、ファーストフード店など客単価の低い飲食店では、1日に10回転というのもめずらしくありません。一方で、客単価の高い高級料亭では1日に1回転ということもあります。このように、業態によって、回転数が違うというのもポイントです。なお、客席稼働率とは、たとえば4人掛けのテーブルを2人で使うと50％ということになります。本来、4人掛けのテーブルであれば、4人で使うと客席稼働率は100％になりますが、必ずしもそのような案内ができるとは限りません。そのため、満卓＝満席という認識を持つことは誤りであるといえるでしょう。できる限り客席稼働率を上げるためには、1名や2名のお客さんにはカウンターを利用してもらい、テーブル席は3名以上で使ってもらうなどのルール作りが大切になります。ちなみに、居酒屋における客席稼働率は、平均で65％～70％程度であると言われています。お客さん1人当たりの単価が小さい場合は回転数を上げることで売り上げを伸ばす必要があります。客単価と回転率の両方を同時に上げることができるのが売上を伸ばすためには良い方法であると考えられますが、現実的にはお店のコンセプトや提供する料理によってどちらかが重視されることが多いです。
回転数を上げるためには、「居心地が良すぎるお店」にならないことも必要です。お客さんのためには、居心地の良い店内づくりをすることは重要ですが、居心地が良すぎて、長居されてしまうと回転数が下がり、結果的にお店の売り上げが悪くなってしまうという可能性も考えられます。居心地が良すぎるお店にしないために、他のお店に比べて料理の値段は安く提供するものの、立ち飲み形式にするという居酒屋もあります。また、喫煙者は禁煙者に比べて食後の滞在時間が長くなるというデータに基づいて、お客さんの滞在時間短縮のために店内を全面禁煙にしているというお店もあります。このほかにも、あらかじめ混雑時には滞在時間に制限時間を設けるなどをして回転数を上げる試みもおこなわれているようです。
◆坪あたりの席数を考えてみる
お店のレイアウトを考える上で、何坪のお店なら席数はどれくらいが妥当なのかを考えるためには、店舗の厨房面積比率を考える必要があります。また、厨房以外の客席とホールのことを客席面積比率と言いますが、一般的な居酒屋では、厨房面積比率が30％であるため、客席面積比率は70％となっています。つまり、20坪の居酒屋で客席面積率比率が70％の場合は、30席程度が確保できることになります。なお、席の間隔をゆったりさせる場合は1坪当たり1.5席の配置、普通の場合は1坪当たり2席、少し詰めた状態の場合は1坪当たり2.5席を配置することが多いと考えるのが良いでしょう。坪あたりの席数を考えたら、回転数と客単価を席数にかけ合わせることで1日の売上予測が立てることができるので、予定している座席数でどの程度の売り上げを見込むことができるのかを計算するようにしましょう。30席程度確保できる居酒屋が1日8時間の営業をおこなったと仮定し、客単価が3000円、全ての席が毎日2回転すると考えて計算すると、「売上 ＝席数（30席） × 回転数（2回転） × 客単価（3000円）」という計算式が出来上がり、1日の売上は18万円になることが分かります。そして、お店に休みの日がないと仮定すると、1ヵ月では約500万円以上の売上を出すことができるということになるのです。
◆客層に合わせて席の配置を検討する
売上を伸ばすためには、客層に合わせて席の配置を考えていくことも重要です。安い価格帯でメニューを取りそろえた店舗と、味で勝負して常連客を獲得する店舗では、席の配置も自ずと異なってくるでしょう。具体的には、学生などの団体向けの居酒屋であればテーブル席が多いほうが良いですが、逆に、常連客をターゲットとするならカウンター席を増やすほうが良いと言えます。また、ランチタイムに店舗を稼働させる場合は、4人掛けテーブルの真ん中に簡単な仕切りやメニューを立てかけておき、相席を促しやすい雰囲気を作っておくことが大切になるでしょう。
◆店舗のコンセプトを練り直すことも必要
万が一、売上が伸び悩んでいると感じたときには、店舗のコンセプトを見直してみることも必要になります。具体的には、客席の配置とターゲットとする客層が合っているのかを確認することから始めてみるのも良いでしょう。客席の配置が合っていないといったことを感じるようであれば、必要に応じて席の配置を変える内装工事をおこなうようにして下さい。客単価と回転率のどちらも上げることは売上を伸ばすためには重要ですが、両方は難しいため、まずは客単価を上げるのか、回転率を上げるのかの方向性をきちんと決めるようにしましょう。このような方向性や客席の配置、客層ターゲットを考えたら、決めた方針に従ってメニュー作りを考えてみるのも良いです。季節に応じた限定メニューを作ってみることでお客様を飽きさせないような工夫を考えてみたり、インパクトのあるメニューを考えてみることも効果があるでしょう。ターゲットとする客層はどのようなメニューを好むのかを研究して、その客層に合った料理を提供することができるようにすることも大切です。
◆売上をアップさせる仕組み作りを工夫する
飲食店の経営を安定させるためには、日々の売上を伸ばしていく必要があります。どのような客層をターゲットにするのか、毎日どのくらいの売上を出したいと考えているのか、また、その売上目標を達成するためには店内に何席ほど座席を用意する必要があるのかなどを考えていきましょう。また、飲食店の経営を維持するには、より多くのお客さんにリピーターになってもらうことも重要です。そのため、店舗を利用するお客さんの立場に立って、見直しを進めていくことが成功の秘訣となります。より良いお店作りをおこない、売上をアップさせていきましょう。
【参考URL】
【1段落】https://squareup.com/jp/townsquare/how-to-calculate-restaurants-turnrate-effect
https://tenpo.casio.jp/column_industry/detail005.html
【2段落】https://squareup.com/jp/townsquare/how-to-calculate-restaurants-turnrate-effect
https://tenpo.casio.jp/column_industry/detail005.html
【3段階】https://squareup.com/jp/townsquare/how-to-calculate-restaurants-turnrate-effect
https://tenpo.casio.jp/column_industry/detail005.html
【4段落】なし
【5段落】なし
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